ルーシー・チョ Lucy CHO
韓国出身・在住
ジャンル|サウンドアート、サウンドインスタレーション、メディアアート
滞在期間|2025年4月8日(火)~6月28日(土)/82日間
ウェブサイト ▶
https://lucy-cho.com
<プロフィール>
私の作品は、自分の中にある相反する気質を基盤に、対立する要素がどのように境界を作り、共生する方法を探っています。このテーマは、物理とデジタル、植物と動物、アコースティックと電子音響など、多様な形で表現されます。2020年後半、不安が極限に達した時、胸の痛みとして身体化を経験しました。それをきっかけに心理カウンセリングを通じて、避けていた感情に向き合い、自分の気質やその背景を深く理解するプロセスを始めました。 特に、家族間の世代を超えたつながりや人生目標、欠乏、トラウマなどを俯瞰する中で、「家族配置」という心理療法を通じて三世代にわたる自分のルーツを探求しています。 音は私の作品の中心的なメディアであり、それを基盤に映像やインスタレーションなど、多様なメディアと組み合わせて制作を展開しています。 作品を通じて、内面的な葛藤を解消するとともに、人間と世界の複雑な関係を探求し、新たなつながりと均衡を提示することを目指しています。
<滞在制作プラン>
「心の家(The House of MAUM)」は、私と関係を持つ人々が心の中に家の形で存在し、その関係の記憶が音として表現されるというアイデアから始まりました。家の形をしたオブジェの中には音が流れ、ヘッドフォンを通じてその音を聴くことができます。2024年8月に韓国で開催された展示では、3世代にわたる関係をテーマにした3軒の家を紹介し、まだ一度も顔を見たことのない祖父をテキストを通じて想像し、自分なりに解釈して表現する過程がプロジェクトの核心でした。
2023年10月時点で、日本の新潟県には約15万6,000軒の空き家があり、空き家率は15.3%と非常に深刻な状況にあります。これは、高齢化と少子化が進行する韓国でも直面している問題です。私は新潟に滞在し、「心の家」プロジェクトの延長として、実際の空き家を訪れ、五感を通じて残された痕跡を感じ、その家がかつて生き生きとしていた時期を想像し、それを音で表現する予定です。私自身の方法で集めた音を家の形をしたオブジェに込めて展示し、ライブパフォーマンスも行います。このプロジェクトを通じて、空き家にまつわる物語を作品に反映させ、空き家問題への関心を呼び起こしたいと考えています。